泪
「じゃその水谷に直接交渉するか」
「………」
昴は面倒そうに頬杖をついて、ため息をはいた。
そして、あっと思い付く。
「…想汰さんも船に乗りたいの?」
すぱーんと昴の頭を下敷きではたく。
下敷きの角が頭に当たって痛かった。
「バカ。神崎に頼まれたんだよ。お前の面倒を見てくれってな」
「え…結海に?」
「ああ。お前はまだガキだから面倒見てくれって…あ」
「あ?」
「さっきのなし。訂正。聞かなかったことにしろ」
「え?」
「じゃ水谷のところにいってくる」
「え?」
「じゃ」