泪
その一部始終を見ていた神崎がバンと雪村の背中を叩いた。
「…いっ!!」
「やるじゃない昴!前までは他人に興味なし近寄るな話しかけるなオーラ放ってたのに」
「…痛い」
神崎の激励の言葉も、雪村は痛みに気をとられ聞いてないようだ。
彼らは、他人の俺からしてみてもお似合いの二人だった。
付き合ってるのだろうか。
まぁまだそういう関係ではないにしろ、そうなるのは時間の問題だろう。
俺はフッと笑って、俺より低い位置にある雪村の頭をグシャグシャに撫でた。
「!?」
雪村は理解できないというばかりに、大げさに後ずさる。
それはそれで少し傷ついた。
「ありがとな、じゃ」
俺の言葉に、今度は雪村が虚をつかれたように目を丸くし、ためらいがちに微笑んだ。
ぶっちゃけその笑顔をくしゃくしゃで、なんというか、本当に不器用な笑顔だった。