泪
最初は皆、連日の疲れが出たのだろうとか言っていた。
しかし、搬送された病院で、雪村はどんどん衰弱していった。
食事を受け付けず、食べてもすぐ吐いてしまう。
発熱したかと思えば、エアコンの人工的な寒さが、今度は弱った雪村の体から体力を奪っていった。
医者に見せても「どこも異常はない」と言われるばかりで、もとから細かった体が日に日に小さく細くなっていき、これでは死んでしまうのではないかと本気で心配したくらいだ。
俺は雪村から離れなかった。
もし目を離したすきに、また体調が悪化したり自殺してしまったら……そう思うと放っとけなくなってしまったのだ。
なるほど。
これが神崎が言っていた庇護欲か。