泪
結局、雪村は衰弱死することはなかった。
次第にだが、食事も通常通りするようになり、話すようになった。
しかし、神崎の葬式から2週間ほどたったある日。
雪村が妙な夢を見ると相談してくるようになった。
最初は驚いたが、たかが夢だ。
現実に干渉しない限り、そこまで重要視することないだろう。
失ってしまった最愛の人に、記憶のなかでも会えるなら、それでいいと思った。
だが、夢はついに現実に干渉するようになる。