「俺はこの船の船長である宮野だ。
この船で起きたすべてのことの責任をとらなければならない。
お前らは誰だ?なぜ入った?」

言葉が続くうちに昴の肩をつかむ宮野の手の力が強くなる。
昴はもはや抵抗を諦め固まってしまった。

想汰ははあとため息をついた。

「…この度ご招待いただいた、オカルト研究会の責任者です。これはそのための調査でして、他の目的はなにもありません」

「ああ…。さっき大声で騒いでいた連中か」

「いえ、オカルト研究会のメンバーはここにいる二人だけです」

さらりと他人呼ばわりされた水谷に、良心と純粋な心の塊である亜希子は苦笑するしかなかった。

 
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