泪
「また麺類?本当に好きよね」
「まぁ…。美味しいし」
テラスの奥から、雪村さんの声が聞こえた。
もう一人だれかいるみたいだったので、木の茂みに身を隠して様子を伺う。
覗き見してるみたいで少し気が引いた。
「そういえば恵斗から聞いたわよ?
昴、また教授に誉められたらしいじゃない。将来は教授になれるわよ」
「いや…いいよ。なりたくないし」
「あら?なら何になりたいの?」
女性がそう聞くと、雪村さんは困ったように微笑んだ。