Doll
act:4
ぼくは
母の連れ子で
まなは
父の連れ子だった
ぼくは、まなが嫌いだ。
可愛くない顔立ちやら
引っ込み思案な性格やら
どうせならもっと明るくて可愛い妹が欲しかった。だがそんな気持ちを他所に、まなはぼくの跡ばかり追いかけてくる。
あまりにしつこくて ぼくはある日 怒ったんだ。するとまなは震えながらぼくに言った。
「お兄ちゃんも、まなのこと嫌いなの?」
―――…お兄ちゃん“も”?
どうやら ぼくだけではなく、母もまなが嫌いだったようだ。
「あぁ、ぼくはお前が嫌いだ。だからいつか絶対出てってやる!お前がいるこんな田舎町なんて…!!」
ぼくはそう怒鳴って、まなを蜂の巣のある木の下へとドンッと押した。
するとまなが木に倒れ掛かった衝撃で蜂の巣が大きく揺れ、蜂の群れが飛び出し、まなを襲ったのだった…。