Doll
5
プリクラは見る見る燃え、地べたに灰となって落ちていった。
彼女はそれを確認すると、足でギリッと踏み潰す。
一緒に写ってた男を恨んでるのか?
「女だって似たようなもんじゃないか」
挑発するように言うと、彼女はぼくを睨み付けてから またイヤホンを耳に充てて歩き出した
「あのさ」
「また、あの時と同じ時間にあの服屋の前でぼく、待ってるから」
「また、君と逢いたい」
ぼくは 自分でもよくわからない言葉を途切れ途切れ発した。
孤立を好むような、まるで一匹狼のような 彼女を放っては置けなかった
―――というのは苦しい建前で...
「わたしに逢いたいの?」
...その通り、です。
ぼくは ゆっくり歩く彼女の後ろ姿を視線でいつまでも追っていた