君の温もりを知る
涙の理由
【side*Akebi Segawa】
「ここまでされて、
惚れないわけないでしょ?」
一通り話し終えたらしい真白は笑った。
今まで、現状を聞くことがあっても
いままでの関係を聞くことはなかったから
とても新鮮で、本当に真白は
宮野さんが好きなんだな、と再確認。
「確かに俺が女だったら惚れるな」
なんて前にも似たようなことを
言った覚えのある台詞を言う。
俺も知らなかったとはいえ、
そこまで身体が弱いのに、
前に何度か走らせてしまったことも
近々謝らなくちゃいけない。
「もう満足した?なんなら、
桃ちゃんと友達になるきっかけでも…」
「いや、それは今度にしとくわ」
お前の本気は、伝わったから。
「じゃあ明日のこと、聞かせてくれる?」
「ああ、」
「本当に?嘘かと思ってた!」
「…話より俺からの熱いキスの方が
いいって?真白ちゃん…
ずいぶん今日は甘えたさんだな」
「そんなこと言ってないよ!」
「ノリ悪い奴…、まあ約束だしな」
「話してくれるの?嬉しいなあ…」
心底嬉しそうに、真白は肩を撫で下ろし
改めて椅子に座り直した。
「話してやるよ。俺のことも」
ーーー俺の家族のことも。