君の温もりを知る
第五章
神様、この恋を
【side*Mashiro Yoshihara】
あの忙しかった土曜日から二晩明け、
今日は月曜日。普通に授業のある日。
「なので、ここでユークリッドの法則を
使って…田中、これ解いてみろ」
「…はい」
「なんだその嫌そうな顔は」
「これが普通っす」
キーンコーンカーンコーン…
この授業の終わりを告げる曲の名前は
この前宮野先輩が教えてくれた。
確かウェストミンスターの鐘、だったか。
「いやっほー飯だ飯!」
「おい田中、まだ問題が…」
「先輩、田中くんがもういません」
「…今日の授業は終わりだ」
しぶしぶ教室から出て行った先生に
途端に騒ぎ出す生徒達。
私も早速桃ちゃん達と
ご飯を食べに行こうと席を立つと、
急に今までとはうって変わった
黄色い騒ぎ越えに、ドアの付近を見ると
「おい貧乳、こっち来い」
案の定あの男がいて、周りの視線を
痛く思いながら、彼の元へ急ぐ。
「……なに?」
近くまで寄って、あくまで小声で問う。
「作戦会議だ。行くぞ」
「あ、ああ、ちょっと待ってよ!」