君の温もりを知る

【side*Taichi Miyano】

俺には好きな子がいた。
あれは小学校にも入る前のこと。

「あたし、大きくなったら太一くんの
お嫁さんになる!ね?いいでしょ?」

「うん、いいよ。約束だよ」

そんなベタな約束をして、幼いながらに
小さくおでこにキスしたりもして。

今でも鮮明に、覚えている。

ーーーなあ、お前は…

お前は、覚えてないんだろ?吉原。
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