記憶を失くしたわがまま彼♡
「いた……」
「え…?」
「探してたんだ…」
「誰を…?」
「市川…いや……______を…」
嘘…
「今…なんて…?」
「……美緒ちゃんを探してた……」
美緒ちゃん……
それは、小学校の頃に風斗くんに呼ばれていた名前……
「風斗くん…?」
「ごめん、俺…小学校の頃の記憶が無くて……それで、美緒ちゃんを傷つけて…でも、俺はやっぱり美緒ちゃんが……」
「やめて‼︎それ言ったら愛香はどうなるの?言っちゃダメだよ…」
「山下とは…別れた……」
愛香と、別れた………
「嘘…私のせいで…どうしよう…風斗くん愛香と別れないで……‼︎」
私は混乱して、取り乱してしまった……
その時…
ふわっ……
温かいものに包まれた
「ふ……とくん…」
「“Ich wünsche Ihnen Glück”」
「えっ……」
「この言葉、山下が見た時別れてって言われたんだ…」
「愛香が…?」