記憶を失くしたわがまま彼♡
美緒side
「おはよう…………。美緒。」
次の日学校へ行くと、いつもなら耳に響く愛香の声が、今日はなんだか元気がなかった。
「おはよう。愛香?どうしたの?元気なくない?」
「そうかな…………?そんなことないよ。」
いや。
愛香、絶対になんかあった。
「そう?本当になんもないの?」
「うん…………。」
私には言えないことなのかな?
「そっか…………。でも、なんかあったら言ってね。」
「ありがとう…………。」
まぁ、愛香が言えるまで待つか…………
キーンコーンカーンコーン
そして、授業が始まった。
1時間目は、数学。
ちょー眠い。
シャーペンをくるくる回していると、
カチャッ
と、床に落としてしまった。
ヤバイヤバイ
拾おうとして、少し後ろを向くと、風斗くんが目に入った。
私がシャーペンを落としたことには気付いていないようだった。
でも、目は何か一点を見ていた。
何を真剣に見ているんだろう。
と、その視線の先を見てみると…………