記憶を失くしたわがまま彼♡
それから、昼休みになった。
「美緒ー!!お弁当食べよ?」
愛香がいつも通りの元気な声で言ってきた。
良かった。少しは元気になったかな?
「そうだね!!」
机を寄せ合い、お弁当を広げたところで
「山下。ちょっといいか?」
風斗くんだった。
愛香は驚いているようで、
「あ、あたし??」
頭が混乱しているようだった。
「愛香、行ってきな?」
私が言うと、
「で、でも……」
申し訳なさそうに、していた。
「さっきも言ったでしょ?私は大丈夫って!!」
「分かった……ちょっといってくるね?」
と、2人で行ってしまった。
さぁて、これからどうしようかな?
と、考えていたところで
「あれ?市川?山下とは一緒じゃないのか?」
尚人くんだった。
「ん。なんか呼び出し中、かな?」
「ふーん。
じゃ、俺と食べねぇ?」
「え?いいの?」
どうしようかと悩んでいた私にとってありがたい話だった。
「俺は大歓迎だけど、市川こそいいのか?」
「私も、今、どうしようかと考えていたところだったから!!」