記憶を失くしたわがまま彼♡
愛香side
「山下。今度の日曜空いてるか?」
一ノ瀬の口から思いもみなかった言葉が出てきた。
はい?
本気で言ってるの?
私は驚いて、
「へ?」
と、間抜けな声を出すと
「日曜、2人でどこか行かないか?」
「えぇ!?本気で言ってるの?」
「あぁ。」
本気、なのかな…?
私は、真っ先に美緒の事を考えた。
美緒は、好きじゃないと言っていたけれど、私はそうは思えない。
すごく、好きだったのに突然どうしたの?
でも、美緒の気持ちを考えると行ったほうがいいのかもしれない。
色々考えた結果私は行くことにした。
「うん。いいよ?」
私が言うと、一ノ瀬は小さくガッツポーズをして「よっしゃ!」
と言った。
なんだ。こんな顔もするんだ。
ドキッ
不意に鼓動が高くなった。
何これ?