輝く世界
109は目前のところで
ラクは見えない壁にぶつかった。
「え、通れないのか…?」
「うそ!ここを通らなきゃ
マルキューに行けないのに…
どうしよう…」
考えているサキ。
ふと、ラクは背後に視線を感じた。
赤い服の男がこちらを
見ている気がした。
『なんだあいつ…?
周りの奴らとなんか違うな…
このバッジ使ってみるか…』
ラクは参加者バッジを
使うことにした。
赤い服の男の思考を
見てみることにした。
『…………え?』思考が見えなかった。
「ラク、どうしたの?」
サキはラクが参加者バッジを
使っていた事を疑問に思ったようだ。
「あの男の思考が見えない…」
「え!?スキャン出来ないの?!」
参加者バッジを使って
周りの思考を見ることを
スキャンと呼ぶようだ。
「もう一度やってみる…」
やはり出来ない。
すると、赤い服の男がこちらへ
向かってきた。
「今から出すノイズに勝てば
壁は解放する。」
『この男、
なんで俺達が見えてるんだ?』とラクは
考えていたが、
「ラク、ノイズ倒せばマルキューに
行けるみたいだね☆
炎のバッジ以外も使えるか
試してみようよ」
サキは複数のバッジを渡してきた。
剣の絵が描かれたバッジや
缶ジュースの絵が描かれたバッジ、
手の絵が描かれたバッジなど…。
描かれた絵で大体の効果は
ラクは理解した。
赤い服の男がノイズを召喚し
赤い影が出てきた。
赤い影はよく見ると
カエルやカニなど
様々な動物のようなものだということがわかった。
最初にノイズを見たときは
逃げる事に必死で
そんな事は気づかなかった。
ノイズは三体。
まず一体目のノイズには
剣のバッジを使ってみることにした。
ラクは剣をイメージする。
すると、ラクの腕は剣に変わった。
「なるほどな」
ラクは自分の腕で思いっきり
ノイズを斬り裂いた。
唸り声を上げて
一体目のノイズは倒れた。
二体目のノイズには
手の絵のバッジを使ってみる。
「手…何かを掴めるのか?」
その予想は当たった。
ラクは車がある方向に
手を伸ばした。
すると超能力のように
車が持ち上がった。
それをノイズにぶつける。
見事二体目のノイズも倒した。
三体目のノイズ…
さっきまでのノイズとは
なにかオーラが違った。
『こいつは…強いな』と、
ラクは勘付いた。
さっきまでは
カエルやカニの形をしていた。
だが、このノイズは
熊のような形をしている。
しかも異様に長い爪だ。
「倒せるか…?」
ラクは自信が無かったが
立ち向かう。
剣で攻撃してみる。
が、
「いってぇ!」
リーチの長い爪にやられ
ラクは吹っ飛んだ。
腕が血だらけになってしまった。
「くっそいてぇ…」
手元のバッジを確認してみた。
「?
これはどんなバッジだ?」
缶ジュースの絵が描かれたバッジを
手にする。
「まさか…
缶を飛ばすバッジなのか!?」
そんな弱いバッジいらないと
思いつつ物は試しと
缶ジュースバッジを握ってみた。
すると、腕の傷が
癒されていくではないか。
「傷を癒すバッジなのか…
ありがたいな…」
だがこれだけでは勝てない。
他のバッジも見てみた。
「これは…
なんか遠距離攻撃できそうだな」
ロケットみたいな絵が描かれた
バッジを見てラクはそう思った。
『よし』とロケットバッジを握り
もう片方の手を熊ノイズに向けた。
すると、手から光の球が無数飛んでいき
熊ノイズに当たった。
だが、一球の破壊力は低く
熊ノイズはのけぞるだけで
倒せなかった。
『待てよ?』とラクは考える。
熊ノイズがのけぞれば
相手に隙ができることを思いついた。
もう一度光の球を飛ばす。
熊ノイズに当たる直前に
ラクはダッシュで敵に近付いた。
熊ノイズに球が直撃し
のけぞった瞬間、
ラクはバッジを剣のバッジに持ち替え
腕を剣にし、
熊ノイズを滅多斬りにした。
見事熊ノイズを倒すことができた。
「ふぅ、危なかった…」
ラクはかなりの疲労感に襲われた。
赤い服の男を見る。
「………達成だ。
解放する。」
といい、見えない壁に手を置いて
どこかへ消えていった。
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