嘘つきなワタシと年下カレシ【完】
「私、あの公園の目の前にあるアパートに住んでるんです。6時半に佐々君があそこで筋トレをするのを知ってて……それであの……鍵を落とした日も見ていたので……御免なさい」

「見て……って俺を、ですか?」

「はい」

 私は肩を竦めると、テーブルに額をつけて謝った。

「山村さんが、俺を?」

「はい。3カ月前に、佐々君があそこで筋トレしているのを窓から見かけて。格好良い子が毎日筋トレしているなんて、これは目の保養だわ!ってつい……でも、もうやめるわ。見ないから。だから許してもらえる?」

「許すも何も俺、別に怒ってないですよ。ちょっと驚きましたけど。3カ月も見られていたなんて……」

 佐々君が肩をすくませて苦笑した。

「本当にごめんなさい」

 私はまた頭をさげる。

 恥ずかしくて、佐々君を見られない!!

 穴があったら入りたい。ずっと見てたことがバレるなんて。

「また俺が鍵を落としたら拾ってくださいね」

 佐々君が食べ終わったバーガーの包み紙をくしゃっと丸めた。








『また俺が鍵を落としたら拾ってくださいね』


 それって……佐々君、どういう意味?
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