嘘つきなワタシと年下カレシ【完】
「計画的犯行により、逮捕決定。ここでは手に負えないわ」
佐々君がクスクスと肩を揺らして笑う。
「今度は警察プレイ? 女刑事に犯罪者も悪くないですね」
私はカウンターにのっている佐々君の手の甲をぐいっと抓った。
「オトナ女子をからかわないの!! 私だから冗談が通じるのよ。いい加減にやめなさい」
「始めたのはまりなさんでしょ? ごっこプレイ」
「頭を殴られたい?」
「痛くしなでください。俺、初体験なんです」
「こら!」
佐々君はニヤッと笑って、私の指に手を軽く絡めてから、カウンターを離れて行った。
十代男子……おそるべし。
意外とオトナ思考が備わっている。
『ごっこプレイ』って……。どこでそんな言葉を覚えてくるのかしら!!
私が十代のときは知らなかったわ。
てか……男の心理なんて心得てなかったし。
「佐々 煌大」
ぼそっと背後で声が聞こえて、私は振り返った。
グレーのスーツ姿の諒が、コーヒーが入ったマグカップを持ったまま、自習室のほうをじっと見ている。
「佐々君がどうかしたんですか、相田先生」
私はドキリと跳ねあがった心臓を抑え込んで、諒の薬指に視線が落ちた。
シルバーのリング。
諒の結婚指輪を見るたびに、いつも胸が苦しくて息が詰まった。
今日は、自然に呼吸ができる。
佐々君のごっこ遊びのおかげかな?
佐々君がクスクスと肩を揺らして笑う。
「今度は警察プレイ? 女刑事に犯罪者も悪くないですね」
私はカウンターにのっている佐々君の手の甲をぐいっと抓った。
「オトナ女子をからかわないの!! 私だから冗談が通じるのよ。いい加減にやめなさい」
「始めたのはまりなさんでしょ? ごっこプレイ」
「頭を殴られたい?」
「痛くしなでください。俺、初体験なんです」
「こら!」
佐々君はニヤッと笑って、私の指に手を軽く絡めてから、カウンターを離れて行った。
十代男子……おそるべし。
意外とオトナ思考が備わっている。
『ごっこプレイ』って……。どこでそんな言葉を覚えてくるのかしら!!
私が十代のときは知らなかったわ。
てか……男の心理なんて心得てなかったし。
「佐々 煌大」
ぼそっと背後で声が聞こえて、私は振り返った。
グレーのスーツ姿の諒が、コーヒーが入ったマグカップを持ったまま、自習室のほうをじっと見ている。
「佐々君がどうかしたんですか、相田先生」
私はドキリと跳ねあがった心臓を抑え込んで、諒の薬指に視線が落ちた。
シルバーのリング。
諒の結婚指輪を見るたびに、いつも胸が苦しくて息が詰まった。
今日は、自然に呼吸ができる。
佐々君のごっこ遊びのおかげかな?