嘘つきなワタシと年下カレシ【完】
◇煌大side◇
相田先生がまりなさんから離れるなり、まりなさんが身体を小さく丸めた。
瞼を閉じて、流れ出そうになる涙を必死に堪えてるみたいだ。
俺は二人から視線を外すと、舌打ちをした。
緩めたワイシャツのボタンを留め、ネクタイの緩みを直す。
ああいう男は嫌いだ。
男の振る舞いは、女性の心を如何様にも動かせしてしまう。
バラ色にしたり、闇の底に突き落としたり。
あいつの行動は、闇の底にまりなさんを突き落としている。許せない。
もっと女性に敬意を払い、温かく優しく包み込むべきだろ。男はそういう存在なはずなのに。
「俺がもっと……」
年齢が上だったら。
どうにもできない年齢の差を疎ましく思う。
まりなさんと同年代で、同じ職場だったら。俺は相田先生を、ぶん殴れたのに。
教師と生徒じゃあ……俺の立場が弱すぎる。
俺は教科書のページを捲ると、左手に握っているシャーペンを放り投げた。
相田先生がまりなさんから離れるなり、まりなさんが身体を小さく丸めた。
瞼を閉じて、流れ出そうになる涙を必死に堪えてるみたいだ。
俺は二人から視線を外すと、舌打ちをした。
緩めたワイシャツのボタンを留め、ネクタイの緩みを直す。
ああいう男は嫌いだ。
男の振る舞いは、女性の心を如何様にも動かせしてしまう。
バラ色にしたり、闇の底に突き落としたり。
あいつの行動は、闇の底にまりなさんを突き落としている。許せない。
もっと女性に敬意を払い、温かく優しく包み込むべきだろ。男はそういう存在なはずなのに。
「俺がもっと……」
年齢が上だったら。
どうにもできない年齢の差を疎ましく思う。
まりなさんと同年代で、同じ職場だったら。俺は相田先生を、ぶん殴れたのに。
教師と生徒じゃあ……俺の立場が弱すぎる。
俺は教科書のページを捲ると、左手に握っているシャーペンを放り投げた。