嘘つきなワタシと年下カレシ【完】

 諒がベッドから出て、私の部屋から立ち去るのに3分も無かった。

 私に「またね」と言う間も与えず、ドアを開けて姿を消した。



 ベッドにある置時計に目をやる。

 彼が来てからまだたったの1時間しか経ってない。

 したことはセックスだけ。



 身体を繋げて、嘘だらけの甘い言葉を囁き、出すモノを出したら……彼は消えた。

 残ったのは彼の匂い。


 コロンの甘ったるい香りがベッドのシーツに沁みついてる。



 ずるい……なのに、愛しい。

 好き……だけど大嫌い。



 こんな気持ち、苦しくてどうにかなりそう。


「いつか」の彼の一番を願った。


 きっとくるはず、と。


 私を一番にしてくれる。私のもとに帰ってくる日が必ずくる……。


 来ないと気づいたのはいつだろう。


「一番」を諦めてしまったのは何カ月前だろう?


 二番でもいいから、私を愛してほしいと願いが変化したのは……。


「バカバカしい」と私は苦しくて切ない気持ちを一蹴して、長い髪をかきあげた。

 長い髪が良い女の必須条件だと信じてロングを頑なにキープし続ける私は……「良い女」ではなく「都合の良いはけ口」となった。


 スタイルの良さも自慢だった。

 顔は平凡だから。どこかアピールする部分がなければ、男に受け入れてもらえないって思ってた。


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