嘘つきなワタシと年下カレシ【完】
 それは大きな勘違い。


 顔は平凡でも、結婚している女性たちはいる。

 スタイルの良さで男は、将来の伴侶を決めない。

 スタイルの良さを求めるのは……セックスを楽しむときだけだ。


 どうして私は愛人になってしまったのか。

 どうして私は結婚できなかったのか。


 今後、私は……。


 床に落ちている鞄に手を伸ばして、私は手探りでたばこの箱を探した。

 堂々巡りにしかならない大きな不安を拭き消すには、たばこが一番。


 私にだってささやかな幸せがくるのを夢にみてる。

 好きな男と恋愛をして、プロポーズをされて、結婚して……子どもを産む。


 どこで私の人生が狂ってしまったのか。


 考えても答えなんて出ない。




 たばこを吸って、眠ろう。

 眠ったら朝が来る。


 朝が来れば、また例の彼を拝んで、コーヒーを飲む至福の時がやってくる。


 そう。

 明日になれば……。


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