【完】恋のキューピットは山田君!
出来ることなら関わりを持ちたくなかっ
た。他人のそら似だとしても、傍に居ら
れるだけで心労が増す気分だ。
やがて、幾多の女子の熱視線を集めなが
ら、優雅にこちらに歩いてくるレオン。
そして、私の隣に来ると、他の人からは
見えないように、ニヤリと笑った。
「僕のことはレオンって呼んでくれて構
いませんから。…これから、よろしく」
絶対山田君だーーー!!
今の意地悪な笑み!絶対山田君!もう確
定!!
キャーっていう女の子の悲鳴を聞きなが
ら、私は自分の人生が終わる音が鳴るの
がわかった。
まあでも、あれだ。
山田君がどういう理由でここに来たのか
は知らないけど。
とりあえず山田君に関わらなければいい
んだ、うん。
──って、思っていたのに。