【完】恋のキューピットは山田君!
「すいません美姫さん。僕、この学校の
ことよくわからなくて……。校内を案内
して欲しいんですけど、良いですか?」
四時間目が終わった時、愛璃とお弁当を
食べようと立ち上がった私に、キラッキ
ラのスマイルで山田君がそう言った。
そんな山田君に、きゃーっと女子が色め
く。
「……どうして私が。学級委員にでも頼
めばいいじゃん」
というか私に話かけないでくれ。
てか近付くな。
「……美姫さんは僕と一緒に居るのは嫌
なんですか……?」
すると、いきなりしゅん、としながら、
そう言った山田君。
しかも子犬のような目を向けてくる。
嫌なんですか?──そんなの。