【完】恋のキューピットは山田君!
え、なにその微笑み。怖いんですけど。
「あのでも……、貴方の探してる人とは
違うんじゃ……」
だって私、こんな美少年を知り合いにな
んか持ってないし。
きっとこの人が探してるのは、同姓同名
の別人にちがいない。
でも、美少年はその瞳を光らせると、
「いーや、あんたで間違いねぇよ」
と満足そうにそう言って。いきなり、本
当にいきなり。
「俺の名前は山田!俺がこれから君の恋
を叶えちゃうぞ☆
……だから取り敢えず身体で迫ってこい
」
最初の方はキラキラスマイルで、しかも
ウインク付きで。
最後の方は、真っ黒な笑顔を浮かべてそ
んなことを言い出したから。
「……はい?」
私の頭は、完全ショート。
目の前のこの人は、いきなり何を言い出
すんだろう。