【完】恋のキューピットは山田君!
▼恋のキューピット、思案。
まずは文化祭で距離を縮めよう
秋、といえば、なにがあるでしょう?
「そりゃあ、学園祭でしょ!」
そう嬉々とした表情で言ったのは、私─
─ではなく、愛璃。
キラキラした笑顔で、そう言ってくる。
「う、うん。愛璃、それはわかったけど
……近くない?」
苦笑いしながらそう言う。
今の愛璃と私の距離は、多分十センチに
も満たない。鼻先が触れそうなほど、近
い。
「ねえ美姫ちん!文化祭だよっ!」
「そうだね、もうすぐね」
「年に一度の、文化祭だよっ!」
しつこいくらい、念を押すようにそうい
う愛璃。