【完】恋のキューピットは山田君!
ちょっと妬かせてみませんか?
「よし、フェーズ2に移行するぞ」
いきなり仁王立ちの山田君がそう言い出
したのは、文化祭から一ヶ月立った、秋
も深まった頃の事だった。
「フェーズ2?なにそれ」
「だから、"大川アタック☆大作戦"フェ
ーズ2だよ」
大川アタック☆大作戦!?
いつの間にそんな作戦が立てられていた
んだ。しかもフェーズ2って事は、もう
初めの作戦はクリアしてるって事になる
。
これっぽっちも見に覚えがないけど!
「ちなみにフェーズ1って……」
「文化祭だ」
ああ、文化祭ね!
確かにあれは、いつもよりも先輩と近付
けた気がする。……とはいっても、全然
アタックは出来なかったけど。
あれも山田君が考えてた作戦のうちだっ
たのね、なんて納得していると。