【完】恋のキューピットは山田君!
やけに何処からは視線を感じる、と思え
ば、そこには無言で私を睨み付ける山田
君がいた。
え、なに。怖いんですけど。
美少年なぶん、その迫力も倍増だ。
「……なんで睨むの、山田君」
「自分の胸に手を当てて聞いてみろ」
「えー……?」
そんなこと言われたって。
山田君に睨み付けられる覚えはまったく
ないし、山田君の機嫌を損ねたり、迷惑
になったりした記憶もない。
むしろ迷惑してんのはこっちだ。
とはいえ、最近はそうでも無いけど。
「山田君が怒ってる理由なんてわかんな
いよ」
困ったようにそう言うと。
「美姫、俺は何回でこ言うぞ。お前、大
川のこと好きじゃないだろ!」