【完】恋のキューピットは山田君!
だなんて言うから、私は少し眉を寄せた
。
「好きだよ。好きに決まってんじゃん」
好きじゃなかったらこんなに悩まないも
ん。
だけど山田君は、相変わらず苛立ったよ
うな表情で私を見下ろしてくる。
「じゃあなんで文化祭からこの一ヶ月、
お前は何もアタックしないんだ。夏休み
だって一ヶ月アタック出来なくて後悔し
たんじゃないのかよ」
「アタックしてるもん!」
「どういう風に」
「毎朝挨拶を……」
「だからそれはただの礼儀正しい後輩だ
っつってんだろ!」
……そんなに怒らなくても。
「だって……」
だってほんとに、わかんないだもん。
文化祭だって、山田君がきっかけをくれ
たのと、背中を押してくれたから、ああ
やって先輩と居られたんだし。