【完】恋のキューピットは山田君!
「レ、レオン君……?」
ほら、愛璃もビックリしてるじゃん。
愛璃の戸惑うような声にハッとしたらし
い山田君は、またいつもの微笑みを取り
繕うと、「なんでもないよ、ごめんね」
と愛璃に言った。
……変な山田君。
「──おい、今朝の、どういうことだよ
」
その日の放課後、部活に行く途中、二人
っきりになった途端、山田君がそう尋ね
てきた。
その顔は不機嫌そうに歪んでる。
「今朝のって、なんのこと?」
「クリスマスが、部活だとか……」
「そのまんまの意味ですけど?」
クリスマスに部活がある。他にどう説明
しろっていうんだ。