【完】恋のキューピットは山田君!
そう思いながら、公園を後にした。
──のだが。
「……っ、ちょっと!なんでこっちまで
ついてくんの!」
公園を出てから三分程歩いた所で、私は
そう言って山田君を見た。
「え?」
「え、じゃない、え、じゃ!なんでつい
てくんのって聞いてるんだけど!」
「だって家、かえるんでしょ?」
そうだよ!
家に帰るんだよ私は!自分の家に!
「だから俺も家に帰るんだよ」
「この辺に山田ってお宅はありませんけ
ど?」
「俺がかえんのは、百千って家だけど」
へぇ、百千ねぇ……って、はぁ!?
「百千って、どの百千……」