【完】恋のキューピットは山田君!
つまり、山田君の仕事は、恋を叶える事
。──恋が叶ったら、そこで仕事は終わ
りになる。
仕事が、終わったら、普通に考えて…。
「……お別れ?」
ポツリ、と呟いた言葉が、何故か深く、
重く心にのし掛かってきて。
可笑しいな。
山田君が居なくなることを、あんなに待
ち望んでいたのに。
山田君のこと、ずっと迷惑だって思って
いたのに。
可笑しいな……。
寂しい、だなんて感情が、溢れて、止ま
らないんだ。
「おう、お帰り」
自分の部屋に入ると、山田君がそう声を
かけてくれた。