【完】恋のキューピットは山田君!
「お母さん冷静になってよ!居候とか無
理でしょ!部屋だってないし!」
「私はいつでも冷静よ。部屋は美姫と一
緒で良いじゃない」
「はぁ!?」
何いっちゃってんのこの人!
私の部屋とかあり得ないんだけど!すご
く面倒なんですけど!
「私、絶対嫌だからね!」
そう言って、お母さんを睨み付けた時。
「……そっか。僕、そんなに美姫ちゃん
に嫌われてたんだ……」
どこからかそんな声と共に、グスッとい
う鼻を啜る音が聞こえてきた。
その音のする方を向けば、手で目元を覆
うようにして、山田君が俯いていた。
「僕、美姫ちゃんがそんなに僕を嫌いだ
ったなんて知らなくて……ごめんね、美
姫ちゃん」