【完】恋のキューピットは山田君!
ごめんね、山田君。ダメだった
「ふ……っ、う……っ」
先輩が完全に居なくなってから、私はそ
の場にしゃがみこんだ。
涙が次から次へと零れていき、地面を濡
らす。
押し殺そうとした声も、完全には押し殺
すことが出来ずに、嗚咽を漏らしながら
、私は泣いていた。
早く。早く、帰らないと。
早く泣き止まないと、山田君に心配され
ちゃう。
いや、山田君が心配するかどうかはわか
らないけど……でも、泣いただなんて知
られたくない。
泣き止め。泣き止め。泣き止め。
「……っなんで止まんないの……!」
さっきから強く、泣き止めって自分に念
じているのに、私の涙は言うことをきい
てくれない。
ようやく、涙が治まってきたのは、それ
から三十分くらい経ってからの事だった
。