【完】恋のキューピットは山田君!
ベンチに座って、背もたれにもたれ掛か
る。
泣き腫らした目が、腫れぼったい。きっ
と今、相当酷い顔をしてるんだろう。
「終わっちゃったなぁ……」
もう暗くなり始めた空を見上げながら、
そう呟いた。
なんだか、すごい喪失感だ。
本当に、好きだった。
先輩のこと、いつの間にか好きになって
て……ドキドキしたり、モヤモヤしたり
。自分が自分じゃないみたいで。
山田君のおかげで、沢山の思い出も、先
輩と作ることが出来た。
デートみたいな事だって、出来たし。
「先輩……思わせ振りすぎるよ」
思わず、苦笑が漏れた。