【完】恋のキューピットは山田君!
そりゃあ、当たって砕けろ!みたいな、
玉砕覚悟の所もあったけど……でも、全
く期待してなかった訳じゃない。
ちょっとくらいの勝算だって、持ってた
。
少なくとも、そこら辺の女の子達よりは
、先輩と仲が良い自信はあったんだ。
先輩が……私を気に入ってくれてる、自
信も。
だけど全部、自惚れだった。
……恥ずかしいなあ。もしかしたらって
、先輩と付き合えたらって、舞い上がっ
ちゃって。
「……思ってたより、痛いんだな……」
ぎゅ、と胸の辺りをわし掴む。
覚悟していたはずの痛み。
だけど想像以上にそれは痛くて、辛くて
。苦しい。
ていうか彼女ってなにそれ。そんなの知
らないし。先輩、そんなこと言ってなか
ったじゃん。
……そんな素振りも、見せなかったじゃ
ん。