【完】恋のキューピットは山田君!
すると、ジロリ、と私を見下ろす山田君
。
それから、「あいつが無神経だから」と
ぶっきらぼうに言い捨てた。
「無神経ってどういうこと?何が無神経
だったの」
「……。」
「……あ、もしかして、私に普通に挨拶
してきたこと?」
そう言うと、ピクリと山田君の動きが止
まる。どうやら図星らしい。
「別にあれは仕方ないよ。だって先輩は
、私が先輩に告白しようとしてたの、知
らないんだし」
先輩からしたら、訳もわからず、いきな
り後輩に詰られるというびっくりな状況
だったんだよ。
ちょっとかわいそうだよ。
「……そんなこと、わかってる」
どこか不機嫌そうにそう言った山田君か
ら、ストンッ、と放たれた矢が、的に刺
さる。
……私と会話しながらど真ん中に刺さる
とか、どんだけ器用なんだよ。