【完】恋のキューピットは山田君!
なんでちょっとドラマみたいな展開にな
ってんの!?
ていうか美緒もお母さんも気付いて!さ
っきから山田君、すっごい笑い堪えてる
から!肩、震えてるから!
「美姫、あなたは優しい子だもの。わか
ってくれるって信じてる」
慈愛に満ちたような眼差しで、私の手を
取り、そう言うお母さん。
「や、あの、ちょ……」
「さあ美姫、山田君をお部屋にご案内し
て差し上げなさい?」
有無を言わさぬような笑顔でそう言われ
ては、選択肢なんて「Yes」しかなく
て。
「……はい」
多分この瞬間から、山田君は私の家族の
一員になってしまったんだと思う。
「──なんなの、あれ!」
部屋に入ってから、私は山田君を責める
ようにそう言った。