【完】恋のキューピットは山田君!
そこまで考えて、はた、と思考を止める
。
可愛くない?──別にそれで良いじゃな
いか。私の山田君に対する態度が可愛く
ない事なんて、今に始まった事じゃない
。というか今更すぎる。
山田君に可愛いと思ってもらう必要なん
てない。
これがいつもの私。いつも通りの対応。
だから、これでいい。
「これでいいんだよっ!」
「……おい、いきなりどうした」
何かを振り切るように叫んだ私に、山田
君がちょっと引いてる。
そんな話をしているうちに、もう順番が
迫ってきていて。
山田君の目が、キラキラと輝きだした。
座席に座ると、山田君は落ち着かない様
子で、そわそわとしていた。
「山田君、落ち着いてね」
「わかってるっつの。てか……この身体
押さえ付けてくるの邪魔なんだけど」