【完】恋のキューピットは山田君!
そういえば、もう結構な時間を山田君と
居るのに、山田君の好きなものとか知ら
ないなぁ。
「別に俺はなんでもいいから。美姫と同
じの頼もうと思って」
「えー……適当すぎるし、なんか私責任
重大じゃん……」
どうせ気に入らない料理だったら怒るん
でしょ?
「ていうか私もなんでもいいし……って
、なにしてんの山田君!?」
ビックリして、店員さんを呼ぼうとボタ
ンに手を伸ばす山田君を慌てて止める。
まだ決まってないって言ってんじゃん!
馬鹿なのこの子!?
「だってどうせ決まりそうに無いんだろ
?」
「そ、それはそうだけど──」
「えいっ。」
ポチッ、とボタンを押してしまった山田
君。
あわあわと狼狽えている間に、店員さん
は来てしまって、ニッコリ笑顔で、「ご
注文をどうぞ」と尋ねてきた。