【完】恋のキューピットは山田君!
すると、山田君もニッコリと笑って。
「すいません。どれも美味しそうで決ま
らなくて。オススメとかってあります?
」
と店員さんに訊いた。
……最初からそれが目的だったのか。そ
れならそうと、いってくれればよかった
のに。
店員さんは、山田君の質問にも嫌な顔一
つせずに微笑むと、
「カップルの方には、こちらがオススメ
ですよ」
と一つのメニューを指差した。
それはオムライスで、すっごく美味しそ
う、だったけど──。
「私達、カップルじゃな──」
「じゃあ、それでお願いします」
カップルじゃないです、と断ろうとした
のに、山田君がそう言うから。
え、と思わず思考が停止した。