【完】恋のキューピットは山田君!
「それはね、ワルキューサの古代文字」
「ワ、ワルキューサ??」
「ワルキューサっつーのは、天界の都心
部の街の名前。日本でいう、東京みたい
な所の事」
そこの古代文字、なんて。
なんでわざわざ読めない文字にしたの?
もしかして物凄い罵詈雑言が書かれてい
るんじゃ……。
「これ、なんて書いてあるの?」
そう訊くと、山田君はクスリと微笑んで
。
「『愛してる』」
なんて言うから。
一瞬言葉の意味が理解出来ずに、石のよ
うに固まってしまった。
すると山田君は、そんな私を喉の奥でク
ツクツ笑い。
「なーんてな?」
と、イタズラっぽく私の顔を覗いて、チ
ロッと舌を出した。