【完】恋のキューピットは山田君!
う、嘘かよ!!
ちょっと本気にしちゃったじゃん!
「たっ、たちの悪い冗談やめてよ!!」
「そんな怒んなよ。元気になったんだか
ら良いじゃん」
「え……?」
「最近、ずっと落ち込んでたから」
オムライスを口に運びながら、そう言う
山田君。
確かに、最近はちょっと落ち込んでた。
先輩の事はもう吹っ切れたつもりだった
んだけど、この前先輩が、彼女らしき人
と居るのを見て、勝手に落ち込んでたん
だ。
今は別になんとも思わないけど。……あ
れ、いつの間になんとも思わなくなって
たんだろう。
でも、そっか。
山田君、気づいてたんだ。……私が、落
ち込んでたことに。
「山田君……」
おずおずといったように名前を呼ぶと、
山田君がこちらを見上げる。
そんな山田君に、少し微笑んだ。