【完】恋のキューピットは山田君!
「お母さんと妹には、俺がずっと存在し
ていた、っていう架空の記憶を埋め込ま
せて貰った」
「なにそれ……」
「脳神経に害はないから大丈夫」
そんな、非現実的なこと信じたくなんて
無いのに。
こんな状況じゃ、嫌でも信じなくちゃい
けなくなってしまう。
……もう、本当にどうなっちゃうの、私
。
「それはそうと、美姫」
「……何?」
「美姫の好きな人って、誰?」
首をちょっと傾げながら、そう聞いてき
た山田君。
私もそれにつられるように、コテンと首
を傾げた。
「好きな人?」
「……」
「……」