【完】恋のキューピットは山田君!
「最後に観覧車ってのがベタなの?」
「そうだよー」
そんな話をしていると、もともとそんな
に並んでいなかったから、すぐに順番が
来た。
二人で向かい合うように座る。
「なんで観覧車がベタなんだよ?」
窓の外に目を向けながら、そう言う山田
君。
窓から射し込んでくる夕陽が、山田君の
金色の髪の毛に透けてキラキラしてて、
すっごく綺麗だった。
「う~んなんでだろ。でもカップルには
よく観覧車でのお決まりのルールってい
うか、ジンクスがあって……」
「ジンクス?」
「うん。頂上でキスをすると、永遠に一
緒に居られるんだって」
まあ、ただのジンクスだしね。
占いとかジンクスとか、そういうのはあ
んまり信じない性格だから、どうでもい
いんだけど。
だけど山田君は、少し考え込むようにし
てから。
「……する?」