【完】恋のキューピットは山田君！

「……そうかも、な」



──耳を、疑った。



まさか山田君がそんなことを言うなんて
、思ってもみなかったから。



「だって山田君、私の恋をすっごい叶え
たがってたじゃん……」



それはあれでしょ？


早く私の恋を叶えて、天界に戻って、お
給料が欲しかった。そうじゃないの？



「……最初は、な。自分でもわかんねー
よ……もて余してんだよ、気持ちを」



山田君はスッと私から目を逸らすと、儚
げに微笑んだ。



「ちょっと"永遠"って言葉が……羨まし
くなっただけだよ」



私はまだ、その意味を。



ちゃんと理解していなくて。



山田君がそれを望むなら、ずっと傍にい
てくれて構わないのに、と。



ただ、そう思っていた。