【完】恋のキューピットは山田君!
山田君の転校が知らされたのは、今日が
初めてで。
密かに山田君こと、レオンと同じクラス
になろうと思っていた大勢の女の子にと
ってはそれはそれはショッキングな出来
事だったらしい。
「もう不登校になってやる……」なんて
虚ろな目で呟いてる生徒さえ居る。
そして、そんな女子にモテモテな山田君
。その様子に、イライラする自分が居る
。
山田君がモテモテなのなんて、とっくの
昔にわかっていた事じゃんか。
なんでこんなにイライラしなくちゃいけ
ないんだよ。
「美姫ちんどうしたのー?なんか顔、怖
いよー」
そんな私をひょっこりと覗きこんで来た
のは、両サイドのみつあみをピョコン、
と跳ねさせる愛璃。
愛璃とは、今年も同じクラスになれた。
「……別に、なんでも」
「あ、わかった!」
「人の話聞いてた?」