【完】恋のキューピットは山田君!
別に、って言ったんですけど。
「レオン君が転校しちゃって、寂しいん
でしょ!」
ニコニコとした笑顔でそう言う愛璃。
そんな愛璃に、私が大きく目を見開いた
。
「な、なにわけわかんないこといってん
の!んなわけ無いじゃん!」
「えーっ、必死で否定する所が怪しいな
ぁ」
ニヤニヤと含み笑いを浮かべながらそう
言う愛璃。
違う。そんなわけない。
だって帰ったら会えるし。ていうかわざ
わざ会いたいわけじゃないし。
……寂しいなんて、そんなわけ、ない。
──ない、のに。
「俺が居なくて寂しかった?」
その日、帰宅したら、余裕そうな笑みを
浮かべた山田君がそんなことを言うから
、思わず動揺して、持ってた鞄を山田君
に投げつけてしまった。