【完】恋のキューピットは山田君!





みごと鞄は顔面に直撃。


「ぶはっ!」と山田君は苦しそうな声を
だして、どうやら強打したらしい鼻の頭
を手で覆っていた。



さっきまでの余裕綽々そうだった山田君
とは一変して、涙目になりながら、恨み
がましそうな視線を私に送ってくる。



「……いきなり何すんだよ」

「や、山田君が変なこと言うからでしょ
!?寂しいとか馬鹿じゃないの!?自惚
れすぎでしょあり得ないんだけど!」

「そんなにズタボロに言わんでも……。
つか、ちょっとからかっただけだろ」



不満そうにそう言う山田君。



タイミングが悪いんだよ!と言いたいけ
ど、山田君は朝の私と愛璃のやり取りを
知らないから、ここは我慢しよう。



山田君に投げつけた事で床に放り出され
た鞄を拾いながら、ため息をつく。



「でも私以外女の子はすっごい悲しんで
たよ」

「ふーん。別にどうでもいーけど」



と、本当にどうでもよさげに言う山田君







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