【完】恋のキューピットは山田君!
何故か、気まずい沈黙が流れる。
それから、山田君はニッコリと笑った。
その笑顔がどこか怖いのは、多分きのせ
いなんかじゃないと思う。
「美姫、俺は恋のキューピットなんだよ
ね」
「知ってるけど」
「つまり、俺はあんたの恋を叶えに来た
わけ」
わかる?とでも言うように、私をビシッ
と指してそう言った山田君。
そりゃあ恋のキューピットだもん。恋を
叶えるのがお仕事だろうしね。
「そんくらい、知ってるよ」
「じゃあなんでお前は好きな人が居ない
んだよ!」
いきなりそう叫びだした山田君。
「別に居ないなんて一言も……」
「じゃあ居んのかよ!」
キッ、と睨み付けながらそう言う山田君
。