【完】恋のキューピットは山田君!
「私?」
そう言うと、はい、とプルプル震えなが
ら答える三橋君。
……さっきから、何を緊張してるんだろ
う、この子は。
「私に用って──」
「好きなんです!」
用って何?と尋ねようとした口は、その
ままの状態で固まった。
「……え?」
なんだろう。なんか。
今、ものすごい事を言われたような気が
する。
「も、百千先輩が好きなんです!仮入部
の時に一目惚れして……」
「え、えっと…」
「まだ返事はしないで下さい!……一度
だけ、チャンスが欲しいんです……」
懇願するような眼差しでそう言う三橋君
。